アウトドアの防水アイテムと生地加工について
アウトドア初心者
アウトドア・キャンプ用語の『防水』について教えてください。
アウトドアの達人
防水とは、生地の隙間から水が浸透しないように加工された状態のことです。
アウトドア初心者
撥水とは何が違いますか?
アウトドアの達人
撥水は表面から水をはじく加工ですが、防水は素材自体が水を通しません。
ゴムやターポリンなど、カヤックやグラウンドシートに使用されています。
防水とは
キャンプ用語でよく聞く「防水」とは、ウェアなどの生地の小さな隙間から水が入らないように加工された状態を指します。
「ウォータープルーフ」とも呼ばれます。 撥水加工とは異なり、防水加工は素材そのものが水を弾きます。代表的な素材はゴムやターポリンです。インフレータブルカヤックやグラウンドシート、ドライバッグに使用されています。
スマートフォンやLEDランタン、ヘッドランプなどの電子機器には、「IP」の後に「X8」のような防水等級が表示されています。ここで「X」に入る数字は防塵性能を示し、「8」の最後の数字は防水等級を表します。
防水等級の目安は「4」で、小雨程度なら対応できます。現時点で最高の等級は「8」で、水中に沈めた状態でも使用できるとされています。ただし、いずれも常温の真水での使用が前提です。
防水と撥水のちがい
アウトドアでの防水対策では、防水と撥水のちがいを理解することが重要です。
防水とは、生地にコーティングやラミネーション加工を施して、水や湿気が一切浸透しないようにすることです。
一方、撥水とは、生地の表面に加工を施して、水滴をはじく性質を持たせることです。撥水加工は防水加工よりも通気性が良いですが、経時的な使用や洗濯によって効果が低下します。
アウトドアアクティビティでは、豪雨や長時間の水濡れが想定される場合は防水加工のアイテムが適していますが、小雨や短時間の雨を凌ぐ程度であれば撥水加工のアイテムで十分でしょう。
防水アイテムでよく使われる素材
アウトドア用の防水アイテムには、さまざまな素材が使用されています。耐久性や通気性、撥水効果など、目的によって適切な素材を選択することが重要です。
最も一般的なのは、ナイロンとポリエステルです。これらの合成繊維は軽量で丈夫、撥水性に優れています。さらに、耐久性を高めるためにポリウレタンコーティングや撥水加工が施されている場合があります。
もう一つの選択肢はゴアテックスです。これは高性能の防水透湿膜で、高い防水性と通気性を備えています。激しい雨や雪の中でも快適に過ごすことができます。ただし、ゴアテックスは他の素材よりも高価です。
より環境に配慮したオプションとしてはリサイクルポリエステルがあります。これはペットボトルなどの廃棄物をリサイクルして作られており、耐久性と撥水性は他の合成繊維と同様です。
これらの素材は、ジャケットやパンツ、テントなどのさまざまな防水アイテムに使用されています。それぞれの特徴を考慮し、自分のニーズに最も適した素材を選択することが大切です。
防水等級の読み方
アウトドアで使用するアイテムには、防水性を示す等級が付けられています。
この等級は、国際標準化機構(ISO)によって定められており、生地が耐えられる水の量を数値で表しています。桁数の小さいほど防水性が高くなります。
JIS 1092
日本工業規格(JIS)に基づく防水等級です。数値が大きいほど防水性が高いことを示します。
IP(Ingress Protection)等級
国際電気標準会議(IEC)が定める、電気機器の防水・防塵等級です。最初の数字は防塵性を表し、2番目の数字は防水性を表します。
JISK 4735
日本のJIS規格に基づく、布地の透水性の試験方法です。数値が小さいほど透水性が低く、防水性が高いことを示します。
いずれの等級も、生地が耐えられる水の圧力や浸入量を表しています。使用する環境や目的に応じた適切な等級のアイテムを選択することで、アウトドアアクティビティを快適に楽しむことができます。
防水数値の目安
アウトドアで使用するアイテムは、雨や水しぶきから身を守る防水機能が重要です。
防水性能は、ミリメートル(mm)で表される耐水圧の数値で示されます。この数値が高いほど、より防水性が高いことを意味します。
一般的に、次の耐水圧が目安とされています。
1,000mm程度
小雨程度であれば対応可能
5,000mm程度
中程度の雨や雪でも大丈夫
10,000mm以上
豪雨や激しい雨でも耐えられる
防水性能の注意点
防水性能の注意点防水アイテムは水に強いですが、完璧な防水ではありません。素材の耐久性や使用状況によって異なります。
たとえば、ゴアテックスなどの透湿防水生地は、多少の雨や雪に耐えますが、豪雨や長時間の水没には耐えられません。
また、防水加工が施された衣類でも、縫い目やジッパーから水が浸入することがあります。
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